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読書録メインです。

読んだ本2018

順不同

帳簿の世界史(ジェイコブ ソール)

ノンフィクション、2015年
帳簿を使ってきた人の歴史。世界史といいつつヨーロッパ史じゃねえかというのはしょうがないね。
帳簿のイメージがキリスト教に由来し(死後の清算)、かつ尊敬あつい専門職から人をだます賤職にかわっていく視覚イメージは興味深い。
メディチ家の帳簿管理による支配とその破綻による没落など世界史内政好きには良いのではないか。
ただ、近現代が手薄で竜頭蛇尾感もある。

帳簿の世界史 (文春文庫 S 22-1)

帳簿の世界史 (文春文庫 S 22-1)

千の顔を持つ英雄(ジョーゼフ キャンベル)

上巻の翻訳が読みにくい。
圧倒的な世界中のあらゆる神話と儀式の情報に幻惑される。
アボリジニのイニシエーションの詳細な描写の後にキリストの犠牲みたいに、普遍的な価値を立証するということなのだろうけど、事例列挙についていけず混乱した。

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

方壺園(陳舜臣

書店のポップで購入。歴史が舞台なミステリ。
中国舞台とおもったら、ムガル帝国あり、時代も唐から第二次世界大戦あり。

方壷園 (ちくま文庫)

方壷園 (ちくま文庫)

風の十二方位(ルグウィン)

ファンタジーだと思ったらSFだった。SFだとおもったらホラーだった。
幅の広さを感じました。ゲド戦記が好きだったのでそのイメージが強い。
惑星調査隊(2人)とそれを手伝う12人クローンのグループの話、天文学者の話が好き。

風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF 399)

風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF 399)

紫苑物語(石川淳

国立劇場の新作オペラから気になって。
流麗な文体といえど、知能完成が足りず。
表題作以外のより伝奇が好き。

紫苑物語 (講談社文芸文庫)

紫苑物語 (講談社文芸文庫)

崑崙の玉(井上靖

再読。失望し挫折する人間の話、が作者の好みであり自分にも合っている。

アメリカ最後の実験(宮内悠介)

エクソダス症候群、盤上の夜を読んで、もういいやと思いつつ呼んでる。
これはファンかも。

アメリカ最後の実験 (新潮文庫)

アメリカ最後の実験 (新潮文庫)

日の名残り(カズオ イシググロ)

親は前年にノーベル賞をとった作家の本を買うという素晴らしい習慣を持ち、家族がスウェーデン人の見解に感謝する風習がある。(要出典)
一人称視点の良さがある、読むべき本。

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで(カズオ イシグロ)

国営放送NHKにネタバレされたけど読んだ。
個人的にはわかるとわからないの間にある。映像化向きというのはあるけど、映画化されていると知っていたからなのか…わからない。すれ違いの話。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

あなたまかせの話(レーモン クノー)

同作者のオディールを大学の課題で読んで以来。
表題作はゲームブック的。それより作者の故郷でもあり、第二次世界大戦で壊滅的な被害をうけたことで知られるノルマンディー地方ルアーブルへの訪問記が印象的。

あなたまかせのお話 (短篇小説の快楽)

あなたまかせのお話 (短篇小説の快楽)

パリの廃墟(ジャック レダ

パリに旅行する前に勧められたが、帰国後に読了。
描写される情景は失われた感がある。

パリの廃墟

パリの廃墟

15時17分パリ行き(アントニーサドラー、アレクスカラトス、スペンサーストーン、ジェフリー スターン)

タリス銃乱射事件で犯人を取り押さえたアメリカ人旅行者の事件に遭遇するまでの経緯とその後(賞賛・失望)について。
中二病の典型妄想、「テロリストに立ち向かうクラスの隅の俺(ら)」を実現して、ヒーローになった話。
遭遇した主人公グループ3人の生い立ちとともに、犯人の生い立ちも詳細に語られているが、どちらにもわりと絶望感と閉塞感が漂っている。
事件遭遇時になにがあったのかは微妙に証言が食い違っていて、藪の中感。
また、事件後に大いに称賛されたものの、さらに大規模なテロが続くことで勝手に失望されたりと理不尽な毀誉褒貶が発生。
ヒーローって難しいよね。

15時17分、パリ行き (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

15時17分、パリ行き (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

夜毎に石の橋の下で(レオ ペルッツ

神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ二世の統治時代のプラハが舞台の連作小説集。
主役は入れ替わり、再登場し、時代も前後左右しながら、冗談みたいな皮肉な感じで話がすすむ。面白い。
主人公格はプラハの街そのもの。作者の出身地でもある。

夜毎に石の橋の下で

夜毎に石の橋の下で

アンチクリストの誕生(レオ ペルッツ

「夜毎に石の橋の下で」が気に入ったので同作者の本を探してみたが文庫本2冊しかおいておらず、とりあえず購入。
2点3点する展開とウィーン風味。こいつらいつも浮気してんな。

アンチクリストの誕生 (ちくま文庫)

アンチクリストの誕生 (ちくま文庫)

無限大の日々(八木 ナガハル)

無限大の日々

無限大の日々

銀河の死なない子供たちへ 上 (施川 ユウキ)

ギガタウン 漫符図譜

ギガタウン 漫符図譜

ギガタウン 漫符図譜


フィクションに偏ってる